2018/09/02 耐蟻性の高い木材
京都でお客さんの木の暮らしをつくる材木屋兼工務店、エビナ製材の海老名宣行です。
だんだんとお客さんがモデルハウスの見学を希望される件数が増えてきました。
つくるのは、素朴であたたかみのある優しく柔らかく落ち着いた木の家です。そこにお客さんの好みやイメージを持ってきてもらって、一緒に話合いながらオリジナルな注文住宅をつくっています。そういう風にすると一棟一棟お客さんによって違う木の家が出来上がります。新築でも増改築でもそこは変わりません。木材のプロである材木屋さんですので、プロの目で見て使うべき木材を適材適所で使い分けています。
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エビナ製材木の家モデルハウスは随時見学可能です。見学、新築増改築のご相談はお問い合わせからお願いします。
耐蟻性の高い木材
「耐蟻性の高い木材」左からヒノキ、ホワイトウッド集成材、スギの柱。1ヶ月間土の上に置いて野ざらしにした後の様子。ホワイトウッド集成材はシロアリに食べられていることがわかります。シロアリ食べられやすい樹種です。 https://t.co/ZgHW4lZRKc #エビナ製材おすすめ pic.twitter.com/ANLPHJJ3nE
— エビナ製材 海老名宣行 (@kyotoebina) 2018年9月2日
木材野ざらし実験
https://www.shinrin-ringyou.com/mokuzai/taikyu.php
実験の結果、耐蟻性・耐候性共にスギヒノキが高いわけですが、住宅においてここまで極端な環境に置かれることはまずないので、あくまでも実験です。ただ、万が一雨漏りや水漏れが起こったりすると、実験のようになることが考えられます。なので、構造にはホワイトウッドの構造用集成材よりもスギやヒノキを使ったほうが安全と言えます。
反面、構造用集成材の良いところは工業製品のため一本一本強度にバラツキがないので、構造計算はしやすいです。無垢材のスギやヒノキは木によってバラツキがあるので、目安になる数値に基づいて構造計算をかけます。構造計算に重点を置いて丈夫さをアピールしている構法はホワイトウッド集成材などの集成材を使っていることが多いです。
ただ、好みで言うと僕はスギやヒノキなどの無垢材を使うほうが好きです。構造も意匠の一つですので、梁の組み方もみえたほうが面白いと考えているからです。梁の組み方といえば、飛騨高山地方にある国指定の重要文化財吉島家住宅のような梁の組み方がすごく美しいです。
降雪地帯なので屋根に積もる雪の重みがかなりのものなので、その荷重を支えながらかつ地面に伝えていくかがとても重要なことなのでこういったつくりになっています。そうでないと雪の重みで家がつぶれます。。。
ちなみに床下が土で空気がよどんだりして湿気がある場合やタイルのお風呂で目地が割れて水がその中に入り込んでいるような場合、シロアリが道をつくって束や土台を食べます。これを蟻道(ぎどう)と言います。どんなのかというとこんな感じです。シロアリ自身乾燥に弱いので乾燥しないようにするためにトンネルのような道をつくります。
シロアリ自体は木材を分解して土に還す役割を果たしているので、自然界の中ではとても重要な存在です。ただ、人が住む木の家に対してそれをされると生物劣化と言って構造を弱くさせてしまうのでよろしくないのです。