京都の木の家注文住宅のエビナ製材ブログ

自分を消す

京都市木の家工務店の海老名宣行です。

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先日、グラフィックデザイナー・佐藤卓さんが出ておられるNHKのプロフェッショナルを見る機会がありました。
すごいかただと思いますし、つくるものもキャリアも全然違いますし自分と同列に語るのはおこがましいですが、以前住宅建築のことで思っていたことと共通することがあったので気になりました。

自分を消す

ロッテのキシリトールガムとかおいしい牛乳とかカラムーチョとか多数の製品デザインを手がけてこられたかたです。
どの商品にも「佐藤さんらしさ」というような一貫した作家性は感じられません。
作家性なんてなくていいんだと考えておられるようで、そのあたり共感できました。

僕には自分の個性を出して自己表現してみようという気がありません。
快適に暮らせるようにちゃんと住宅として機能してくれていればそれで良しと思っています。
自己表現することよりも、お客さんの考えを引き出してカタチにすることのほうがはるかに重要です。
エビナ製材がつくる木の家は、お客さんの家であり、お客さんがそこで暮らすものだからです。
だからじっくり意見を聞き取る必要があります。
週一回の打ち合わせでもほんとは足りないぐらいです。

プレゼンの手法

特に興味があったのはプレゼンの手法でした。NHKでもプレゼンのときの様子が映されていました。

複数のデザインを考えて、こんなのはどうでしょうこんなのはどうでしょう、と進めていかれてます。
そして、一押しがあったとしてもそれもあえて言わない。
なぜか、デザイナーが良いと思っても、お客さんはそう思っているとは限らないから。押し付けになるから。

ハキハキしゃべって、「どうでしょうか?一緒にコレでいきませんか?」という気持ちでていねいに話しかける

僕のこれまでのプレゼンのやりかたは、
「まず最初にいろんな可能性を探りながら、あれでもないこれでもないとプランをいくつも描きだして消去法で一つ一つ消していき、だんだんまとまってきてようやく一つのプランが完成して、それを図面として清書してさらに立体化もして、見積書を作ってプレゼン」という手法でつくってきました。

が、これもどーも「たった一つのプランを押しつけているだけじゃない?」と思いました。
「どうでしょう?一緒にこれで木の家をつくりませんか?」という感じではないなと。

ということで佐藤卓さんの真似で3つぐらいのプランをプレゼンしていく方向に変えてみようと思います。
更に、押し付けにならないようにするため、完成した図面や立体はあえてつくらない。
なぜかというと、プレゼンのプランは、僕だけでつくった案であってお客さんの意見が入っていない未完成の状態だからです。

プレゼンは「完成されたものを出す場」ではなく、「こういう案を考えましたけど、どうでしょうか?一緒につくりませんか?」とお客さんに問い掛ける場なんだと思いました。

佐藤卓さんの仕事のしかたをみて、「自分を消す」という手法は間違ってなかったんだと確信できました。
ということで、今後更にいろんなことを試していきますよー。

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