京都の木の家注文住宅のエビナ製材ブログ

外壁材はどれを選びますか サイディングかモルタルか

しあわせ木の家づくり建築家の海老名宣行です。
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Q.外壁材はなにが良いですか? サイディングかモルタルか

木造住宅の外壁材として一般的によく使われる仕上げ方法、サイディングとモルタル+塗装ですが、一般の人にしてみれば、まず「サイディングって何?」「モルタルって何?」というところからはじまりますので、良いところ悪いところを含めて細かく説明していきます。他にも、設計事務所が好んで使うガルバリウム鋼板貼りや木の板貼り、漆喰仕上げなどもありますがこれは省略。

サイディング

まず大きく二種類に分類されます。
ひとつは窯業サイディング
窯業サイディング

もう一つは金属サイディング
金属サイディング

窯業サイディング

厚み14-18mmのセメントの板を455x3030mmや910×3030のサイズに仕上げたもので、表面に塗装や凹凸を付けたものです。工場で生産・塗装されたものを現場のサイディングの職人さんが釘打ちや金具で建物本体に取り付けていきます。
メーカーとしては
KMEW
ニチハ
の二強です。なぜかよく分かりませんが、ニチハは2014年2月現在でほとんどの商品が出荷出来ない状態にあるようです。4月頃でないと出せないとかなんとか。

良いところは

安い 比較的安価に仕上げることが出来ること
選択肢の幅 多種多様な柄があるので選択肢の幅が広いこと
割れにくい モルタルのようなクラック(ひび割れ)が起こりにくいこと
汚れにくい 表面の塗装に光触媒コーティングや親水コーティングが施されたもの、紫外線や日焼けを防ぐ塗装を施したものなどが商品として出ており、汚れがつきにくく塗装の劣化を防いでくれる機能をもつものもある。

悪いところは

画一的 工場生産品のせいかどれも同じように見えてしまう(新興住宅地行くと大抵サイディングが使われています)
テカる 汚れのつきにくい塗装が施されているため、妙にテカる
シーリングの再施工 サイディング本体は劣化しにくいが、サイディングとサイディングの間の目地の部分(シリコンシーリング)が劣化して切れてくるので10年ぐらいで再施工が必要になる

他にも無塗装サイディングに塗装をして仕上げる方法もあります。
無塗装サイディングに塗装

金属サイディング

金属サイディング
表面がガルバリウム鋼板やアルミの金属で、裏面に断熱材を貼り付けてアルミ箔で覆った外壁材。
寸法はバラバラですが、おおよそ400x3800mmぐらいの板状のものです。セメント板ではないので、とても軽いです。これも窯業サイディングと同じく工場で生産・塗装されたものを現場のサイディングの職人さんが釘打ちで建物本体に取り付けていきます。
メーカーとしては
KMEWのはる一番という商品
アイジー工業
こちらの良いところ悪いところは上記の窯業サイディングと同じです。

違うところは

良いところ

金属に塗装してあるので、独特の光りかたをします。なのでシャープな印象になります。

悪いところ

一点違うところは、一度キズやヘコみがつくと二度と直せない点です。金属ですので車のボディと同様何かモノが当たるとヘコみます。ヘコんだら貼り替えるしかないのですが、これがまた大変で大変で・・・。

 

モルタル+塗装の場合

モルタルというのは、砂とセメントと水を現場で練って塗りつけるもので、サイディングが出る以前はこの施工法が多かったです。

ただ、昔のモルタル+塗装の施工では、柱の外側に杉板の下地を貼って、アスファルトフェルト→ラス網→モルタル→塗装だったために、モルタルにクラックが入ると簡単に水が入って構造体を濡らしてしまい、それが原因で構造体が腐ったりシロアリに食べられたりする結果となることがよくありました。

それが良くないということで、「サイディングにしたほうが良いですよ。」と僕が新卒で一条工務店に入った頃の研修で教え込まれていました。一条工務店本社のある静岡県浜松市で仕込まれました。笑

が、今ではモルタルでもきちんと通気構法を採用してやれば構造体を濡らさなくて済みます。
写真で見ると
透湿防水シート、通気胴縁、ラス下地
柱の外側に透湿防水シート→通気胴縁→ラス下地
アスファルトフェルト、ラス網
アスファルトフェルト→ラス網
モルタル下塗り
モルタル下塗り
モルタル仕上げ塗り
モルタル仕上げ塗り
仕上げ塗装完了
仕上げ塗装完了
というように工程数が多いです。

 

モルタル+塗装の良いところ

左官職人が現場で施工するので手作り感がある
厚みが20mm程度のモルタルのため重厚感がある
モルタル通気構法の場合、何重にも層が出来るので壁自体がかなり分厚くなり、断熱性や遮音性が高くなる。
仕上げの塗装の色や塗り方次第で自由に仕上げ出来る。サイディングのようなテカりがない。

モルタル+塗装の悪いところ

クラックが出やすい 特に窓の四隅あたりからナナメにピリピリと細かいヒビが入る。
コスト サイディングの施工と比べるとコストが高くつきます。だから一時はほとんどの外壁がモルタルからサイディングにとって変わりました。

クラックについては前述の通り、通気構法を採用していれば構造体に影響はありません。

 

ということでまとめると

Q.外壁材はどれを選びますか サイディングかモルタルか

A.出来るだけ安価に抑えたい場合は塗装済のサイディングがオススメです。

サイディングのテカりかたがイヤで、しっかりした壁にしたいという場合はモルタル+塗装がオススメです。

その中間に無塗装サイディング+塗装という施工法もあるのでそれも検討してみても良いでしょう。ただし、910mm毎に必ずタテ目地が入ります。

2014.02.16追記

外装に木材を使用する場合はどうなる?という質問がありましたのでお答えします。

基本的に木の板を外装に使用することは、隣地で火災が起こって燃え広がらないように建築基準法によって制限されています。
なので、そう簡単には木を外装に使うことが出来ません。
ただし、昔ながらの土壁に杉板や裏返し塗り無しの土壁に下見板貼りについては、現状に合わせて許可されています。
そうでない場合は、モルタル20mmの上から下見板貼りなど、認定を受けた構造仕様であれば可能となっています。

ひろがる外装への木材利用-(財)日本住宅・木材技術センター

現実的に考えて使用出来る構造仕様は
(※防火構造認定の取得出来ているものを書いています。)

大建工業のダイライトMS12を外装下地として使う
詳細はこちらです

モイスを外装下地として使う
詳細はこちらです

認定の取得出来ている外装用木材を使う(価格は高いです!)
越井木材工業株式会社/製品一覧/商品一覧表(防火木材/外装材)
詳細はこちらです

準防火地域に使える防火木製外壁と防火地域・準防火地域に使える防火木製屋根材のご紹介 チャネルオリジナル
詳細はこちらです

ということで答えは、

防火構造だの準防火構造だの、延焼のおそれのある部分だのいろいろ制限がありますが、シンプルにつくるには上記の個別で認定が取れているものを使うのが現実的です。特にダイライトやモイスの使用ですね。

外壁に木を使う場合は、キシラデコールやオスモカラーなどの屋外用塗料をこまめに塗るようにしてください。また、出来るだけ雨のかからないところを板貼りとしたほうが長持ちします。雨ざらしのところに使うと、傷みが早いです。

雰囲気は柔らかくて良いのですけどね。。。

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