木の家和室真壁二間続きの和の家
木の家工務店の海老名宣行です。
盆休み終わりました。しかし、今回の休みで驚きだったのは雨が1時間に100mmの降雨量という点でした。
温暖化の影響なのかなんだかよくわかりませんが、どうも雨が強烈に大量に降ったり暑さが強烈だったりする傾向が強くなってきているように感じます。
今後、それに耐えられるようなつくりの家にしないといけませんね。
さて、今回は現在建築工事中の現場について触れておきます。
基本的にあまり公開することを良しとされておられないお客様ですので位置が特定出来ないように写真を限定して掲載します。
真壁和室二間続き+床の間+違い棚+縁側
今回作っているのは、真壁和室二間続き,床の間,違い棚,縁側のある伝統的な和の家です。
新築でこのタイプの家をつくることは非常に珍しく、今の視点で見ると貴重ですので記事として残しておきます。
昔ながらの和室の床の間を中心とした家作りですので、今のキッチンを中心とした家作りとは考え方が異なります。また、何百年と続く歴史を経て出来た様式ですので、この様式を崩すことは容易ではありません。少しでも崩すと全体が崩れる感じになっていまいます。ほとんどの作りかたや様式が決まっており、自己主張できるところと言えば床柱や床框、地板、天井板などに何を使うのかといった点や障子や襖の柄等といった目に見える部分の装飾的なところ程度に限られてきます。大きくいじることは難しいです。
これを伝統=退屈と見るのか、伝統=重厚で濃密な先人のエッセンスが凝縮されたものと見るのかは、各人の感性によるところが大きいでしょう。
伝統の中にある重要な考えをベースにしつつ、現代の要望に合うように表現を変えるというのが良いと考えて実践しています。とはいえ、今回はほぼ伝統に則って和の家をつくるのがご要望でしたので、オリジナルで手を加えることは極力しないようにしています。逆に昔ながらの手法を復活させていることのほうが多いように感じます。
床の間
では床の間周辺から見ていきましょう。
床柱は北山の天然絞丸太です。
ちなみに今回は京都市域産の木材を使用することで25万円分の補助が出る制度を利用しています。
この制度もなかなか使い方が難しいです。
左に違い棚と天袋、床柱の後の開口は「狆潜り(ちんくぐり)」と呼ばれています。床柱の右は床の間です。地板や框はケヤキです。壁はラスボードで上から左官塗で仕上します。
床の間等和室の造作材は千本銘木商会さんより仕入れ。
真壁づくりの難しさ
天井の杉板貼りやヒノキの集成階段はいつものように施工しています。
ただし、真壁(柱を露出させるタイプの壁)のため、おさまりがいつも以上に難しいです。
和室以外の部分の建具はパナソニックの商品を使用しているため、これも真壁と既製品をどうやってキレイに見せるかというのがまた難しいです。柱として壁から独立しているのであれば比較的露出させることは難しくないのですが、壁がついてきたり、更に構造体として耐力壁になっていたりすると非常に納まりが難しいです。
キレイに見えるように仕上げるのは簡単なことではありません。
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2014年8月18日 12:17 AM
ブログメニュー:京都市右京区嵯峨野様邸 , 木の家づくり │コメント(0)