京都の木の家注文住宅のエビナ製材ブログ

京都市右京区H様の木の家 改築工事の内装解体を開始しました

どうもみなさんこんにちは、エビナ製材海老名宣行です。

肩の力を抜いてmax80%ぐらいの力で挑みます。
ヒロミ「40歳で小休止した僕が見つけた境地」

さて、ご依頼いただておりました京都市右京区H様邸の改築工事のため、1月25日から内装解体工事を開始しました。

解体してみてわかってきたこと

およそ築50年ぐらいになるのでもちろん土壁です。トイレやお風呂はもちろんタイル貼りなので、例のごとく土台はシロアリと腐りにやられています。

キレイに分解が進んでいます。土が近いところにあるとどうしてもこうなりますね。

家の構造として非常に特徴的なのが、間仕切り壁や柱の部分でほとんど構造的に意味を為さないようにつくられています。

梁丸太で瓦屋根の荷重を分散させて外壁側の壁と梁と柱に力を伝えるようになっています。

梁丸太だけで支えているので、間仕切り壁の柱は構造的に重要ではないようにしてあります。柱の上にある、横に架けてある細い木材で柱や壁が倒れないようになっているだけで、上から屋根の力がかかっていないことがわかります。

梁丸太では荷重に耐えられなさそうなところには、鉄骨で梁を入れてあります。

当時の設計者や大工さんの設計思想を推測する

おそらく当時の大工さんとしては、

構造の面では

「屋根の荷重を梁丸太で受けて、外壁側の壁と柱に伝えて、それを構造体とし、間仕切りの壁部分には荷重をかけずに自由につくれるようにしておく。梁丸太では荷重に耐えられそうにない部分は鉄骨を入れて保たせる。」

ということを考えておられたのだと思います。

良いところは、間仕切り壁や内装の仕上げに荷重がかからないため、自由に内装仕上げが出来ることです。反面悪いところは、一部の間仕切り壁で梁丸太の荷重を支えているところがあるのですが、間仕切り壁の上の梁が細いために重みでたわんでいてその影響でフスマが動かなくなっていたり、構造的に無理をしているところがある点です。構造的に重要な部分は下手に触れないです。

断熱については、床下と壁と屋根全て「土で断熱」としているので、断熱材というものを使わなくても「土が断熱してくれる」という考えです。しかし、今の生活としてはもう少し暖かくしてあるほうが良いですね。

また床が冷えないように、当時としては恐らく先進的だった床下にパイプを通して温水を循環させるシステムを採用されていたようです。今はもう使われていないです。

で、ここからどうするか

今のライフスタイルで言うとやはり寒く感じられる(断熱性が低い)のとお客さんの要望に基づき、

・窓や屋根の断熱性能の向上
・床暖房の設置
・湿気を止めるために床下に防湿土間コンクリートを打設

といった課題に取り組んでいきたいと思います。

土壁の家は、昨年 #京都市上京区I・H様の木の家 でも取り組みましたが、なかなか手強いです。


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