火を囲んで家族団らん、むくもり広がる二世帯住宅。 / 京都府・N様邸

京都府N様邸の新築注文住宅事例

冬の某日、二世帯で暮らすN様邸を訪ねました。リビングにはオレンジ色の炎ゆらめくペレットストーブが据えられ、自然と家族が集まる仕掛けになっているようです。このストーブもこだわりのひとつだったというご主人を中心に、お話を伺いました。

景観規制のある風致地区に建つため、外観は伝統的な和の趣に。1階は濃色の杉板と軒裏の垂木との取り合わせで凜々しく。2階外壁は淡い色のサイディングで雰囲気を和らげている

玄関には存在感のある化粧梁が。この梁に合う照明をと、インターネットで一生懸命探したそう。天井と壁は珪藻土仕上げ

玄関に入ってすぐ、化粧梁がとても印象的でした。

これは再利用で。もともと建て替える予定で築40年ぐらいの家を買ったんです。その権利書を見たら、大工の欄に嫁のおじいちゃんの名前があった。嫁のおじいちゃんは大工さんで、僕らが買った家を建てていたんですね。そうと分かったら何か残したいなと海老名さんに相談して、使われていた丸太を取っておいてもらったんです。それをこの家を建てる大工さんが「化粧梁に使ったらどうや」と提案してくれて、上手におさめてくださった。柔軟なところがハウスメーカーとは違いますね。

当初は他社での施工を検討されていたとか。

そうです。はじめはハウスメーカーでも木の家を建ててくれるんちゃうかと展示場をまわったけれど何か違う、やっぱり工務店さんにお願いしようと、チラシで見た某工務店さんの内覧会に行ったんです。一回図面と見積もりを出しましょうかと言ってくれて、じゃあお願いしよかとどんどん話が進んで。決める直前までいきました。

そこで決められなかったのは?

どうも自分が思うような家にならへんなと。「こんな風にしたい」と希望を言っても、工務店さんのこだわりが強くてなかなか受け入れてくれない。「いや、こうするのがいいですよ」と僕らの希望に対して後ろ向きなんです。何回打ち合わせを重ねても、思い描く家に近づいていかなくて、このまま決めたら後悔するな、だったら依頼先を探し直そうと考えたんです。

対面式キッチンは来客の際、手元が見えないようカウンターを高めに。奥さまが選んだ照明が、ストイックな空間にモザイクの彩りを添える

陽射しに恵まれた広々リビング。作り付けの本棚には家族の蔵書やDVD、アルバムなどがズラリ。出し入れを考えて各段の高さは微調整

リビングとキッチンのドアは無垢材。菱形小窓にジェル状のおうちシールがちょこんと貼られ、可愛いいワンポイントに

キッチンシンクの横、窓側に作られたオープン棚。お気に入りを飾れて、光が奥まで射し込むメリットも

リビングのどこかにご主人がドリルで仕上げた「隠れミッキー」が! 訪問客に見つけてもらうのも楽しみ

探し直しはどんな方法で?

インターネットで。木の家、京都をキーワードに検索しました。エビナ製材の名前が出てきたので、ホームページやブログを隅から隅まで見て、一度話を聞いてみようと夫婦で訪ねたんです。ショールームも良かったけど、何より海老名さんの前向きなところが好印象でした。僕らの希望をちゃんと聞いてくれて、「こんな方法がありますよ」などと提案もしてくれたので。

信頼できそう、と?

海老名さんは人見知りらしくて目を合わせてくれないんですよ(笑)。話もたんたんとされていたけれど、かえってプロらしいし、ここなら自分が思うような、納得できる家が建てられそうだと感じて。初めて会った日、帰りの車の中でもうエビナ製材さんに依頼しようと決めていました。

家づくりが始まってからはいかがでした?

建て始めてから、僕は毎日のように現場に来てました。進捗状況を見て気づいたことがあれば、海老名さんに連絡をとって「ここはこうできないですか」とまめに打ち合わせを。海老名さんは何でも話しやすいんですよ。話しやす過ぎて何でも言っちゃうので、嫁曰く「面倒くさい客やったやろな」と。現場にちょくちょく行くので大工さんとも仲良くなり、少しですけど作業を手伝いました。

炎を眺めながら暖がとれるペレットストーブ。薪ストーブと違って薪の調達や保管に頭を悩まさなくていいのが長所のひとつ

2階、仲の良い兄妹の部屋。今は大きな1部屋で、将来は彼らの成長に合わせて仕切れる造りに。床や勾配天井には杉板を採用

隠れ家のようなロフトは、活発な娘さんのお気に入りの場所。壁はビニルクロスで、子どもたち自身がそれぞれ好みの色をチョイスしたそう

洗面台とキャビネットはご夫婦がikeaで購入されたもの。それに合うアクセントにとガラスモザイクタイルをプラス。戸棚などは大工さん作

トイレは2箇所に。壁と天井は珪藻土仕上げで、1階はご主人が、2階は奥さまと子どもたちが塗りを担当

奥さまのリクエストで、バルコニーを囲ってサンルーム風に。雨天や夜間でも家族の洗濯物を干せて便利

ご主人が特にこだわられたポイントは?

特にここというのは無く、家の隅々まで(笑)。飾り棚ひとつとっても壁のどこにスペースがあるかを確かめて指定していきました。僕はまず図面を見て住んでみるというか、頭の中でシミュレーションするんです。例えばバスルームの場合、浴槽の配置を出入り口の正面奥にするか横にするか、具体的に家族がどう動くかを思い浮かべ、使い勝手で決めました。

奥さまも教えてください。こだわりは何でしたか?

私はサンルームです。夫婦とも日勤・夜勤がある仕事なので、天気も時間も気にせず洗濯物を干せるスペースがほしくて。それまでは洗濯して干して出勤して、雨が降ったら濡れっぱなしになって洗濯し直すしかなかったんです。それが屋根付きのバルコニーに壁と窓をつけてもらったおかげで、洗濯物を干したまま出かけても大丈夫になりました。

本好きの息子さんが好きな場所にあげたソファ。いつも家族が集まって、本を読んだりおしゃべりしたりと寛ぐそう

こちらは親御さん世帯。構造材の柱を見せる昔ながらの真壁和室に、小ぶりのキッチンを併設。「とにかく明るくして」というご希望に沿って壁色は白基調に。床は幅広の杉板。柱を見えるつくりにした真壁が日本の和室にふさわしい。

明るさを求め、和室の南側には陽光を招き入れる大きな窓を配置。春になれば、庭の色彩も眺められる

住まれて半年になるそうですね。住み心地はいかがでしょう。

夏は昼間にエアコンをつける日もあったけど、大体は窓を開けっ放しにしていれば十分涼しかったです。壁に珪藻土を塗ったからか湿気を感じず、からっとしていて快適。家の中は裸足でした。床はすべて杉板なので、柔らかくあたたかみがあって良いんです。冬はペレットストーブをつけていると、暖気がリビングから吹き抜けを通って2階もあったまる。子どもたちものびのび暮らしていると思います。

家づくりを振り返っての感想を教えてください。

建てた後でこうしたら良かったという点は出てきたけれど、僕の場合、ホンマに自分で決めさせてもらったので後悔はないですね。工務店さん主導で自分で決められずにいたら後から不満に思うんでしょうけど。海老名さんは希望をよく聞いてくれたし、それに対していろいろなパターンを提案して選ばせてくれたんですよ。

選択の幅が広かった?

そうです。僕が「こうしたい」と言うと、他社は「費用がこのぐらいかかりますよ」と答えるだけだったけど、海老名さんの場合「こうしたら予算を抑えられるし、逆にもう少しお金をかけられるならこんなこともできます」と提案してくれるんです。その中で自分が予算を考えて選択できる。エビナ製材にお願いして良かったと思ってます。

では、満足度は何点でしょう。

100点です。建てはじめから建て終わるまで、一切妥協しなかったから。気になったところは全部言わせてもらって、こだわりたいところは徹底してこだわれるし、コストを抑えたいところはそうできた。自分の思ったイメージ通りになるよう、とことんできました。これから家を建てる方も打ち合わせをしっかりして、希望通りの家を叶えられたら良いと思います。

ありがとうございました。
(インタビュー:茂内希保子 撮影:江原英男)

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